ダイヤモンド社のビジネス情報サイト

デジタルトランスフォーメーションが
「絵に描いた餅」にならぬように何をするか

大河原克行
【第170回】 2018年3月20日
著者・コラム紹介バックナンバー
previous page
3
nextpage

日本企業はアジア企業にも遅れている

 2つめのポイントは、アジアのリーダー企業との比較において、日本の企業にはいくつかの課題があることだ。

 具体的には、日本の企業では、「どのIT技術が適切かを見極められない」「適切なITパートナーが選択できない」「既存システムの保守サポートに追われている」「プロジェクトに対する投資不足」「幹部のサポートやリーダーシップが不足している」といった点で課題を抱えていることが浮き彫りになった。これらの課題は、いわば、デジタルトランスフォーメーションに踏み出したくても踏み出せないという状況を示す内容ともいえる。

 また、日本の企業ではデジタルトランスフォーメーションにおけるKPIの設定に対する関心が低いことも浮き彫りになっている。「デジタルトランスフォーメーションを推進する上で、KPIを設定することはアジアの企業では常識になっているが、日本では非常識になっている」との問題も指摘した。

 さらに、日本の企業は、国内企業はAI・コグニティブ・ロボティクスやクラウド、セキュリティといった領域に対しては、アジアのリーダー企業と同等か、それ以上の投資を行っているという結果が出ているものの、ビッグデータ/アナリティクスへの投資が低く、「デジタルトランスフォーメーションでは、データが資本となるが、そこに対する投資意識がひくいのは課題のひとつ」と、IDC Japanでは分析している。

 セキュリティに対する投資が多いのは、攻めのIT投資よりも、守りのIT投資を重視する日本企業の特徴が反映された結果でもあり、ロボティクスへの投資については、日本で先行したPepperが企業に導入されていることが影響しているのかもしれない。

 3つめのポイントは、アジアのフォロアー企業と比べても、日本の企業が遅れている領域がある点だ。

 その最たる例が、デジタルトランスフォーメーションに関する予算について、組織特性として合意した企業は、アジアのリーダー企業では70%、アジアのフォロワー企業では50%であるのに対して、日本の企業は40%に留まった点だ。

 予算措置の遅れは、日本におけるデジタルトランスフォーメーションに対する関心は高まりつつあるが、「かけ声ばかりで、金は出さない」という実態が示されたともいえる。

次のページ>> どこからはじめるか
previous page
3
nextpage
IT&ビジネス
クチコミ・コメント

facebookもチェック

大河原克行


IT&ビジネス 業界ウォッチ

IT業界で話題の新サービス・新製品のニュース、これから話題になりそうな新ツール、知っておきたい各種の統計調査……などなど、経営効率化に寄与するIT業界の今のうごきをレポートします。

「IT&ビジネス 業界ウォッチ」

⇒バックナンバー一覧