ビール副原料が4月から規制緩和も業界から不満が漏れる理由新商品を発表するヤッホーの井手社長。水曜日のネコは発泡酒のままだが、「価値はしっかり伝えていく」という

 ハーブ、果皮、さらにはかつお節など、4月以降に発売されるビールの副原料が多様化する。酒税法改正によるビールの定義変更で、ビールに使える副原料の範囲が大幅に緩和されるためだ。

 ビール最大手のアサヒビールは、ハーブの一種であるレモングラスを使った「グランマイルド」を発売する。7%の高アルコールながら、ハーブを入れることで雑味の少ない後味に仕上げたという。

 個性的な味わいが特徴であるクラフトビールに注力するキリンビールは、「グランドキリン ひこうき雲と私 レモン篇」などを発売する。レモンピールを使った爽やかな味わいが売りだ。

 今まで対象外の副原料を使った商品は発泡酒の扱いだったが、法改正によりビール表記を狙えるようになる。安い印象のある発泡酒ではなく本流のビールとして売り出せることで、市場が活性化すると各社は期待を寄せる。

 大手各社が従来とは一味違う新商品をそろえる中、クラフトビールメーカーも勝負を仕掛ける。鼻息が荒いのは、13年連続で増収増益を続け、クラフトビール市場の拡大をけん引してきたヤッホーブルーイングだ。副原料にかつお節を使った、ビールと表記する「SORRY UMAMI IPA」を4月から数量限定で発売する。