休憩と短距離走を交互に混ぜる

締め切りにはもちろん効果があるものの、両刃の剣でもある。

逆効果になりかねない。

どんな種類の創造性も極度のプレッシャーの下で花開くとは限らず、すべての人が目の前の締め切りに反応するわけでもない。

問題を少し寝かせて、チームが深く考えられるような休憩時間と短距離走を交互に混ぜる必要がある。

緩急の組み合わせが最高の結果につながる。

イエール大学経営大学院のジェニファー・ミューラーは、ハーバード・ビジネス・スクールのウィリアム・シンプソンとリー・フレミングと共に、7社における22のプロジェクトチームを研究した。

そこで、「極度の時間のプレッシャーの下では、創造性を羽ばたかせるのは難しい」ことがわかった。

そのプレッシャーが長い期間にわたって続く場合はとくにそうだった。

プレッシャーが続くと、次のような結果になりかねない。

・思考がまとまらず集中できない
・仕事が細かく分断される
・仕事の意義を見失う
・永遠に自転車を漕がされているような気分になる
・計画やスケジュールがいつもぎりぎりで変更になる

僕の対処法は、休憩を挟むことだ。

その間、メンバーは時間のプレッシャーから解放される。

休憩を挟むことで、チームは課題に優先順位をつけ、あれこれと探索し、次の突破口に向けてパズルのピースをまとめることに集中できるようになる。

イノベーションのプロセスを、1つひとつのユニットに区切って、その後に判断を下すことを僕は勧めている。

短距離走の部分には明確な締め切りと目標を設けなければならない。

例えば、仮説の検証、プロトタイプ作り、ビジネスモデルの開発といったことだ。

その後、休憩を宣言し、ペースをゆるめ、これまでにやったことを分析し、別の可能性を探る時間をたっぷりとチームに与える。

それからリーダーが判断を下す。