カレンダーの週末と平日を同色にする
締め切りがはっきりしている場合もあれば、あやふやな時もあるが、締め切りがあやふやだとうまくいかない。
「3ヵ月以内ならいつでもいいから終わらせてほしい」と言えば、たいていの人は締め切りを無視してしまう。
締め切りの日時がはっきりと決まっている場合、もしそれまでにできなければ何らかの不利益が降りかかる。
締め切りがあやふやで、特定の期間が設定されていない場合には、結果への責任もあやふやで、やる気にならない。
人間の心の中で、締め切りは意外な区切り方をされている。
トロント大学ロッツマン経営大学院のヤンピン・チューとディリップ・ソーマンは、「時間の分類がタスクの開始にどう影響するか」についての研究を行った。
翌週の火曜日に締め切りを設置すると、多くの人は翌週の月曜日まで仕事に取り掛からない。
しかし、カレンダーの色付けを変え、週末と平日を同じ色にすると、締め切りが連続した同じ時間の区切りの中にあるように見える。
すると、前の週のうちにその仕事に取り掛かる社員が増える。
人間の脳は、日数でなく、時間の区切りを優先する。
1つの時間枠の中に締め切りを組み込めば、人は早めに行動を起こす。
「人間は、未来の時間を今の時間の延長とは考えません。意思決定や仕事を終わらせる日までに残された日数を考えるのではなく、未来の時間を区切りで考える傾向があるんです。例えば、締め切りは来週だとか、来月または来年だ、といったように」とソーマンは言う。
言い換えると、その区切りが来るまで、締め切りはあやふやなままなのだ。
その区切りが来ると、意識の中で締め切りがはっきりする。
だから、数週間または数ヵ月先の締め切りに向けてチームに仕事を始めさせたければ、毎週の締め切りを設けるか、全期間を1つの区切りとして認識させる必要がある。
いずれのやり方もいい結果につながる。