いきなり上のステージの役割を求められると、つぶれる

  入社してすぐということは、本来であればまだ1.スターターの段階です。新入社員として仕事のマナーなどを身につけ、職場で周囲との関係性を築く段階です。これをしっかりクリアしてから、次の2.プレイヤーの段階に移ることが必要です。

  A社では、はじめから実務を担当させるということで、1.スターターを飛ばして2.プレイヤーの段階からスタートすることが恒例となっていました。それでも景気や会社業績の好調という条件の下ではうまくいっていたわけですが、その後状況が変化すると、1.スターターの段階をクリアしていない人が2.プレイヤーの段階を求められてもうまくいかず、つぶれてしまったわけです。

  さらに、社会人としての始まりにうまくスタートを切れなかった新入社員は、いろいろな要因があるのでしょうが、その後もいま一つ波に乗り切れない傾向にあるようです。最初のボタンの掛け違えが、後々まで尾を引くのかもしれません。

行き過ぎた現場主義が、部下の成長を妨げる

  鉄は熱いうちに打て。新人は早く即戦力にすべく、実務の中で仕事を覚えさせよ。

  こうした「現場主義」が行き過ぎると、A社のように新人が辞めたり、4、5年たっても、いま一つ波に乗れないといった事態に陥ることがあります。

  この例からも見られるように、一つひとつ段階を上らせること、そして、それぞれの段階に合った育て方があるということが分かります。

  明日は、業種や企業、部署によって異なる、部下の成長スピードについて説明します。

 


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