成長ステージの変わり目=トランジション
これまでの連載4回では「ものさし」の考え方と「ものさし」を使った部下指導について説明しました。
連載最終回は、段階の「変わり目」に着目していきます。
一般社員層の部下は、次の4つの段階を経ます。
1. スターター(Starter/社会人)
2. プレイヤー(Player/ひとり立ち)
3. メインプレイヤー(Main Player/一人前)
4. リーディングプレイヤー(Leading Player/主力)
ここで課題になるのは、今いる段階から次の段階への移行がうまくいくかどうかです。
「あいつは3年目の割に、よくやっているよ」
「彼はもう30歳にもなるのに、まだあの程度か」
連載第1回でこのような話を書きましたが、マネジャーを含めた周囲の人からの「期待値」によって、部下のステージは決まります。
となると、ある程度部下が成長すれば、当然ながら「次のステージへのステップアップ」が期待されます。
いつ、どんなタイミングに、どうやって移行し、次の段階の役割を果たせるようになってもらうのか。
部下はあるステージで一定の成果や能力が認められると、マネジャーを含めた周囲の人から、次のステージの役割を担うことが期待されるようになります。「できているかどうか」にかかわらず、「期待される役割によってステージは決まる」という考え方ですから、この時点で部下は次の段階に移行したことになります。実際には、これに合わせて昇格を伴うことも多いでしょう。
次の段階へ転換し、新たな段階の役割を果たせるようになる過程を「トランジション(ステージの転換)」と呼びます。