青井 良くならないという以上に、だんだん悪くなってきた。むしろ、やればやるほど悪くなっていくような感じで、肉体的にも精神的にも負荷がかかってきて……。だんだんついてこられない人が出始めるんですよね。

小室 聞いているだけでもつらいですね。

おじさんが悪いのではなく
「おじさんの会議」がダメ

「残業が大嫌いになった」丸井グループの社長は働き方をどう変えたのか青井 浩(あおい・ひろし)
株式会社丸井グループ代表取締役社長。1961年生まれ。東京都出身。83年慶応義塾大学文学部卒業後、86年に丸井(現・丸井グループ)入社。91年取締役営業企画本部長、95年常務取締役営業本部副本部長兼営業企画部長、2004年副社長などを経て2005年4月から現職

青井 なんとかこらえて残業を続けているメンバーに僕も入っていたんですが、当時、午後3時から夜10時~11時ごろまで晩飯も食べないで続ける会議があったんです。そこで朦朧としながら参加者の顔を見ていたとき、「待てよ」と。「ひょっとして業績が良くならないのって、いつも同じメンバーで夜遅くまでこうして議論していること自体に原因があるんじゃないか」と気づいたんです。

 それ以来、「残業」と「おじさん」が大嫌いになりました。僕の2大敵は残業とおじさん(笑)。「おじさん」とは、取締役とか部長といった幹部の人たちです。

 おじさんそのものが悪いわけじゃなくて、おじさんだけでやるのがダメなんです。ダイバーシティがあれば、おじさんの知識とかノウハウも生きてくる。

小室 画一的なおじさんが残業する状態が最悪だ、と。当時の青井さんの役職は?

青井 常務だったと思います。だから、自分で意志決定できるようになるまで、しばらく我慢しなきゃいけなかった。2005年に社長となり、実際に働き方を変え始めたのは2007年ごろです。

小室 青井社長のお話は、日本全体の働き方が今のような状態に陥った要因と密接に関係しています。つまり、上層部が「今は緊急事態であり、我慢して建て直すときだから」と考えていた。現場はそれまで5人でやっていた仕事を「ちょっと緊急だから3人でやって」と言われて、緊急事態だから仕方がないと頑張っているうちに、3人のままにされてしまった。

 会社全体がそんな状態の時に、働き方を変えるというと反発も大きかったと思います。どのように説明をされたんですか?