「女性と外国人を入れればダイバーシティ」という大きな勘違い丸井グループの青井社長が重視するのは、単に女性、若手、外国人を重用するだけの働き方改革ではない

丸井グループでは「おじさん」だけの会議を行わないという。けれども、ただ「女性」や「若手」「外国人」を入れれば多様性が実現するわけではない。青井社長が訴えるのは「1人の中に多様性ができる」ことの重要性だ。多様性をイノベーションにつなげていくには、いったいどうすればよいのか。前回に続き小室淑恵・ワーク・ライフバランス社長が聞く。(まとめ/アスラン編集スタジオ 渡辺稔大、撮影/内藤洋司)

「おじさんだけ」の会議はしない
画期的なルールのヒントになったもの

小室 御社では、ダイバーシティとしてどんな取り組みを実践されていますか?

青井 たとえば、おじさんだけの会議は行わない。「あれ、女性が1人もいないよね。これじゃ会議ができないから、仕切り直そう」と。年配者だけでも会議をしません。年代と男女のバランス、ダイバーシティがある会議や打ち合わせ以外は流してしまうんです。

小室 それは社内ルールで決まっているんですか?

青井 暗黙のルールですね。もともとは僕が率先して始めました。

小室 それはどうやって思いついたのですか?

青井 実は具体的なヒントがありました。内閣府が支援する「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」に参加したとき、行動宣言のシートが置いてあったんです。

 そこに「私たちは会議などの席で1人も女性がいなかったときに、『なぜ女性がいないんですか?』と必ず発言します」とか「女性がいても半数に満たないときは、『なぜ女性が半数いないんですか?』と必ず発言します」などと書いてあったんです。これはいいな、確かにその通りだよね、と思って、即実行することにしました。