「わからない」ことが多いのに、
なぜ「安全」といえるのか

 今、私の手元にはピンク色をした1冊の冊子があります。

 タイトルには「妊娠中の方、小さなお子さんをもつお母さんの放射線へのご心配にお答えします~水と空気と食べものの安心のために~」とあります。表紙には、赤ちゃんを抱いたお母さんのイラストが書かれています。この出版元は、国民の命を預かる「厚生労働省」です。

 中を開いてみると、以下のような章立てになっています。

    第1章 「胎児」や「赤ちゃん」への影響について
    第2章 「水道水」について
    第3章 「空気」について
    第4章 「食べもの」について

 小さな子供に限らず、子を持つ親であれば、誰でも「大丈夫かどうか」を知りたい項目ばかりがならんでいます。

 この冊子は、全国の医療機関などに約300万部が配布されたので、ご覧になった方も多いと思います。この冊子の特徴としては、「ご心配はいりません」あるいは「安全です」といった文言がとても多いところにあります。

 冊子の一部を引用してみましょう。