新人2人が喧嘩、同期内派閥まで…人事部はどうお灸を据えるのか研修期間中に起きた新人同士の喧嘩はロッカーへの落書きが発端。落書きは故意に会社の備品を傷つけた悪事行為であり、懲罰対象になることをお忘れなく!(写真はイメージです)

4月から始まった1ヵ月間の新人研修。ロッカーへのいたずら書きがきっかけで、新人2人が喧嘩を始める。さらに派閥までできてしまい、雰囲気が悪化。状況を打開しようと、研修担当の課長はどんな対策を講じるのか。今回は入社時期と重なり、新人に関するトラブル事例を紹介したい。(社会保険労務士 木村政美)

<甲社概要>
  人材派遣会社。全国規模で営業展開。本社の他に支店が10ヵ所ある。従業員数は約500名。会社の業績は好調で、大卒を中心に毎年新規採用を行っており、今年は17名の新卒者を採用した。4月の入社式後は1ヵ月間、本社で座学研修を受けることになっている。昨年に続き、人事のC課長が研修を行っていたら、大きな問題が……。
<登場人物>
A:新入社員。22歳。元気が良くて明るい性格。場の空気が読めず失敗してしまうことも……。
B:新入社員。22歳。成績は優秀だが、クールでマイペースな性格。
C:本社人事課長。40歳。新入社員研修の責任者。
D:Cの大学時代の同級生で社労士。

「おっはよーっス!」

 研修初日の朝、Aは研修会場へ入ってくるなり大声で叫んだ。そして自分の席に着くと、後ろの席に座っているBにも声をかけた。

「B君だよね、おはよーっ!」

 しかし、Bは返事をせず、スマホに夢中だった。

「ちぇっ!へんな野郎だな。挨拶なしかよ」

 AはBの態度が不愉快だったものの、翌日以降も気にせず毎朝Bに挨拶をしたり、いろいろと話しかけたりした。ところがBはスマホを見ているか本を読んでいることがほとんどで、Aに対してはシカト状態だった。