【その2】「抗アレルギー」性のものを選ぶ
寝具に使うカバーやシーツ類は、抗アレルギー性(低アレルゲン)のものが望ましい。アレルギーのある・なしにかかわらず、すべての寝具に抗アレルギー性のものを使うべきだ。
イエダニは、カーペットや洋服や寝具に潜んでいる。湿気の多い環境とはがれた皮膚が大好物だ。アレルギー反応を引き起こすのはダニそのものではなく、そのフンだ。環境づくりが間違っていると、あなたは大量のフンの上で眠ることになってしまう。
アレルゲン(アレルギー原因物質)は、夜間の呼吸に影響する可能性がある。鼻での呼吸が難しくなり、いびきや睡眠時無呼吸症候群、ドライマウス等、口呼吸の弊害が睡眠サイクルをさまたげる可能性がある。
また、寝具はすべて通気性のよいものを選ぼう。好ましくない温度変化を予防するためだ。
私が使っている寝具はマイクロファイバーを使用している。この素材を使った枕は頭を涼しく保つことができる。掛け布団も軽量で通気性がいい。この掛け布団はさらに、薄めの羽毛インナーと厚手の羽毛インナーを2枚合わせにしてもばらばらにしても使用できるものを使っている。そうした掛け布団は一般の寝具店でも買える。
【その3】こまめに「清潔さ」を保つ
カバーやシーツ類の色はすべて白。清潔感があり飽きもこない。
あなたがご家庭で自分のスリープキットをつくる際は、このアプローチをぜひ取り入れてほしい。多くの人は、クリーニングにも出さず、新品に取り換えもしないため、劣化した掛け布団を使い続けているのが現状だ。だが白なら、汚れやしみにすぐに気づける。
清潔であることは、寝具に関して最も大きなメリットだといえる。私はかつて、全英自転車競技連盟の「ブリティッシュ・サイクリング」のコーチたちと戦略リーダーのマット・パーカーに、スリープキットについて「ある提案」をする勇気を出すまでに時間がかかった。それは――。
「毎晩欠かさず、自転車選手たちに新しいシーツで寝てもらうこと」
この提案に科学的な根拠はない。肌感覚として、私自身が、自分のベッドに新しいシーツがセットしてあるときは眠るのが楽しみになるからだ。「清潔で涼しい」という、最高に快適な環境なので、ベッドに入ったとたんにリラックスできる。
寝具が快適なら、たちまち自分のスイッチを切って眠りに落ちることができ、回復のための夜の眠りを楽しむことができるのだ。
ありがたいことに、マットは「ぜひ毎晩取り替えましょう」と即決してくれた。おかげで、チームの移動バスの洗濯機を占拠することになったのだが。