日本と世界でIoTは
どう活用されているか
さて、現在、IoTと呼ばれる製品は多数ありますが、私がここで一覧表を提示するよりも、SmartHacks Magazineの「日本と世界のIoT活用事例39選~~スマート家電から産業事例まで~~」の記事内で、多くのIoT製品が写真付きで丁寧に紹介されていますので、ぜひそちらをお読みください。
ちなみに、私がIoTはなんら実現していないと痛切に感じるのは、前述の(1)の世界にはまだまだ程遠いからです。
たとえば、スマホでドアの鍵の開け閉めができる製品があったとします。
今、あえて太字で書きましたが、私が問題視しているのは、「スマホで」鍵を開けたり閉めたりすることです。
これでは、単に物理的な鍵がスマホに置き換わっただけで、これなら別に指紋認証や網膜認証でも代替がききます。というより、私は別に今の鍵でも十分です。
確かに、スマホでドアの鍵の開け閉めができれば、不動産業者が同行しなくても、物件を探している人が内見することも可能です。
不動産業者は、会社に居ながらにしてスマホでドアの鍵の開け閉めができるからです。
しかし、今の鍵がスマホに置き換わっても、想像力の乏しい私には、こうした限られたシーンでしか使い道が思い浮かびません。
これが、ドアそのものがインターネットサーバに置かれたAIと接続されて、家主が帰宅したら自動的にドアの鍵が開き、家に入ったら、もしくは外出時に自動的にドアの鍵が閉まるようなら、それはIoTといってもいいでしょう。
要するに、現在は人間の指示がなければなにもできない状態です。
これでは、IoTどころか、12年前のユビキタスとなんら変わりはないと感じます。