「働き方改革」で注目されているサイボウズ青野社長は、企業が長く存続すること自体を良しとする日本の風潮にも異を唱える(写真撮影:栃久保誠)

なぜ私たちは楽しく
働けないのか

 昨年末にアップされた、サイボウズの青野慶久社長のこのツイートを読んで衝撃を受けた若者も多いのではないだろうか。

 本書『会社というモンスターが、僕たちを不幸にしているのかもしれない。』はこの文章から始まる、これからのあるべき働き方の指針となる啓蒙書である。ここに書いてあることはほぼ正しい。そして、それは心ある人なら誰でも薄々分かっていることである。我々は皆、もう旧来の日本型会社システムがワークしなくなっていることに気づいている。

『会社というモンスターが、僕たちを不幸にしているのかもしれない。』
青野慶久、PHP研究所、221ページ、1500円(税別)

 しかしながら、世の中全体がおかしい時には、常識的な大人は、もしかしたら自分が間違っているのではないかと思ってしまう。「王様は裸だ」と言うのは難しい。それほど人間というのは社会的で右顧左眄してしまう動物なのである。

 そこに、そのおかしさを論理的にキチンと説明して、我々の進む道を啓示してくれる指導者が現れれば、世の中は一気に変わる。それが青野氏であり、本書なのである。

 青野氏は言う、「私たちが楽しく働けないのは、会社の仕組みのせいなのではないか。会社がモンスターのように私たちを支配してしまっているからではないか」と。

 会社というのはフィクション(想像上の人)である。そのフィクションがいつの間にか我々の人生を支配するようになってしまった。だから、もう一度、自分の人生について主体的に考えてみよう。そのために、サイボウズもその代表取締役である自分も変わるから、ということである。