先進国の金融政策を比較する際、米国の連邦準備制度理事会(FRB)が着実に利上げを続け、欧州では欧州中央銀行(ECB)が来年にも利上げに向かうと見られる中、日本は当面現在の金融緩和が続くと見られているものの、その実、日銀の金融緩和(量的緩和)の縮小は徐々に行われていると見る向きもあります。
 
「長短金利操作付き質的・量的金融緩和」導入から1年半が過ぎ、黒田日銀総裁は2期目に入りました。物価上昇は日銀が目標とする2%の「物価安定の目標」達成にはまだ遠いと見ざるを得ない状況ですが、消費者物価指数(除く生鮮食品)は2016年9月を直近の底として緩やかに上昇してきており、3月は前年同月比+0.9%となっています。こうした中、来週の金融政策決定会合と同時に発表される「経済・物価情勢の展望(展望レポート)」では、日銀が日本経済や物価についてどのような判断を記すのか注目されるところです。

2019年10月の消費税増税以降、金融政策は慎重な舵取りへ

 今回ご紹介した「さくらレポート」や「日銀短観」などを踏まえても、三井住友アセットマネジメント調査部では日本経済について、海外景気の回復の継続を背景に輸出の回復傾向や、企業の設備投資意欲の維持から、底堅い成長が続くと見ています。

 ただし、2019年10月には消費税10%への増税が予定されており、これに伴う景気の下振れリスクが懸念されます。また物価の先行きについては、GDPギャップの改善により物価の緩やかな押し上げが見込まれ、基調的な物価上昇率は緩やかに高まっていくと見ています。

 そして日銀の金融政策は、2%の「物価安定の目標」まで距離があるなか、2018年度中は日銀は長短金利を据え置くと見られ、2019年度は消費増税による景気への影響を見ながら慎重な金融政策の舵取りが行われると考えられます。

(三井住友アセットマネジメント 調査部 脇坂理恵)