スター人材は問題児から誕生する

 前回は産業の「死」に光を当てたが、その「死」を回避するためにはイノベーションが欠かせない。その鍵となるのが「人」のマネジメントだ。

 創造力が求められるイノベーションのプロセスは、人の個性が関わる人間くさい営みが中心だ。しかも、イノベーションを起こす人材は、社内で活躍しているエリート社員とは限らないのがややこしいところだ。これまでの全社的な人事の価値観では合わない。「人中心」で経営を組み直すことが重要なのである。

 そこで、米ボストン・コンサルティング・グループが開発した「プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM)」を利用して、人材育成の在り方について考えてみよう。

 まずPPMとは、種々の事業の性格を2×2の箱で分類することにより、経営リソースの分配に深い示唆を与えたものだ。