やる気の感じられない部下、仕事がイマイチぱっとしない部下の存在は、上司にとってはイライラのタネ。まわりの士気も下げるし本当に困りものです。でも、叱ったり説教したりするだけでは、部下のやる気はますます下がっていくだけ。むしろ、なんとかほめてやる気にさせたほうが得策の場合も多いのです。コミュニケーション上手な人はほめ上手な人が多いものです。仕事上のちょっとした気配りや気の利いた段取り、服装や清潔感に至るまで、小さなことでもほめられた人は照れくさかったり半信半疑であったりしても、必ず嬉しいと感じるものです。そこで少しでもやる気にさせられれば、エネルギーを使って叱責を重ねるよりもいい結果になります。そしてさらに、ほめた自分自身も明るい気分になるのです。

「ほめ」で引き出す「好意の返報性」

 口に出してほめたりしないのは日本人の繊細で奥ゆかしい美徳かもしれませんが、多様な人間が働く職場では、シンプルで誤解の少ない欧米式のコミュニケーションをお手本に、はっきり口に出して相手をほめてみましょう。

 人は好意を示された相手に好感を持つようにできています。この心理を「好意の返報性」と言います。ほめられた方はたとえその根拠が論理的であったとしても、好意の現れとして受け止めます。

 恋愛ではなかなかままならない「好意の返報性」ですが、通常の人間関係では自然なこと。上司にほめられなんとなく好かれていると感じれば、お返ししたい気持ちになります。それを仕事の頑張りや、上司への誠実さで返してもらえればこっちのものというわけです。