親会社であるセブン&アイ・ホールディングス(HD)の会長を長く務めた、日本のコンビニの生みの親ともいえる鈴木敏文現名誉顧問が16年に会長を退任し、井阪隆一氏が社長に就いて以来「新機軸と呼べる革新的なサービスがない」(小売業界関係者)と言われてきたセブン。今回の取り組みは、ポスト鈴木体制でもっとも野心的な挑戦と言えなくもない。

 とはいえセブンはすでに、店舗で販売している商品とは別の弁当や食材を宅配する「セブンミール」を展開しているが、これは店舗の従業員、またはヤマト運輸に委託して配送する仕組みだ。

 店舗の多くが人手不足に悩む中、従業員自ら店外に配達に行かせる余裕のない店舗オーナーが多い。一方で「ヤマトに宅配を委託して赤字になっている」(あるオーナー)と怨嗟の声も上がっている。

宅配ドライバーの主力は
子育てを終えるなどして時間に余裕のある主婦

 ところが北海道の実験では、宅配は西濃運輸を傘下に持つセイノーホールディングス(HD)の子会社・GENie(ジーニー)が担っている。

 トラック運転手の担い手不足が叫ばれて久しいが、今回発表したコンビニ宅配事業で運転手の主力となるのは、子育てを終えるなどして時間に余裕のある主婦だという。

 北海道での実験よりも早く、広島市では15年から、スマホからの注文ではないものの、商品の宅配サービスを試験的に実施していた。コンビニ宅配事業の責任者であるセブンの新居義典・デジタル戦略部統括マネジャーは「広島市内の特定のエリアとか、時間を限定すれば、主婦を中心に運転手は集まりやすい」と話す。軽乗用車でコンビニの商品を宅配するので、荷物もさほど重くない。長距離トラック運転手の仕事とは根本的に異なるのだ。