二階発言に込められた
安倍官邸への牽制球

 4月25日朝、自民党の森山裕国対委員長は「内閣不信任決議案が出されれば、衆院解散も1つの選択肢」と語った。

 森山氏の突然の発言には、国会で与野党の対立が長引くなか、野党の動きを牽制する意図があったと見られた。だが、二階氏は同日、官邸で安倍首相と会談した直後に「幹事長の知らない解散なんか世の中にあるわけない。どうぞやるならやればいい」と発言し、いち早く解散説を打ち消している。

 突然飛び出した解散説の背景には、何があったのだろうか。

「多くのメディアは二階幹事長の発言を『火消し』と捉えて報じましたが、国会対策委員長は立場上、幹事長に仕える役職ですから、森山氏が好き勝手に解散などと言うことは考えにくい。事前に話を擦りあわせていたと考えるのが自然です。牽制のための解散という言葉を発する人と、それを打ち消す人…そんな役回りを決めて発言したのではないか」

 また「幹事長の知らない解散なんてない」と断言したことにも意味があるという。

「これは、幹事長の自分の了解がなければ解散なんかやらせないという意味にも聞こえます。二階幹事長からの強いメッセージとも取れます」

 二階氏は、第2次安倍政権の発足以来続いている、官邸が何でも決めて党側が下請け機関と化す『政高党低』の状況に不満を持っているという。

「二階さんがたびたび口にする『政府と与党は一体』という言葉も、『与党は官邸の下請けではない』という意味を込めたもの。二階さんの最大の目的は自民党を守り、強くすることだと思います。二階さんの動きを見ると、度重なる不祥事で政権が与党の助けを必要とするこの機会をうまく使って、これまでとは反対の『党高政低』の構図を作ろうとしているようにも思えます」

「同じように9月の総裁選も、党が安倍官邸に対して主導権を握る絶好のチャンス。安倍首相にしてみれば二階幹事長の支持がなければ3選は果たせませんから、今まで以上に気を使い頭を下げる。二階幹事長が総裁選後の政局の主導権までも握る流れができるというわけです」