昨今の日本では、「孤独のすすめ」「ソロ活」「1人カラオケ」など、孤独をポジティブに捉える論調が目立つ。しかし、米国や英国などの諸外国では、孤独は健康リスクを招く重大な社会的問題との認識が広まっているという。コミュニケーション戦略の専門家であり、『世界一孤独な日本のオジサン』(角川新書)を上梓している岡本純子氏に話を聞いた。(清談社 福田晃広)

孤独のリスクは1日たばこ15本喫煙や
アルコール依存症に匹敵

日本のオジサンは世界一孤独です。
OECDの調査では、「友人や同僚もしくはほかの人々と時間を過ごすことのない人」の割合は、日本人男性が21ヵ国中で最多という結果が出ています(写真はイメージです)

 そもそも孤独とは、物理的孤立を意味するわけでなく、誰かと一緒にいても、誰ともつながっていない、誰も頼る人がいないといったような精神的な不安感、寂しさを指す。人と人との関係性の希薄化、コミュニケーションの欠落ともいえる。

 日本において孤独のリスクといえば、物理的な孤立による「孤独死」がよく問題視されている。

 しかし、米国・ブリガムヤング大学のジュリアン・ホルトランスタッド教授が30万人以上のデータを対象とした分析調査によれば、「社会的なつながりを持つ人は、持たない人に比べて早期死亡リスクが50%低下する」という。

 同教授は2017年8月に、アメリカ心理学会で孤独の健康影響について発表し、「世界中の多くの国々で、『孤独伝染病』が蔓延している」と警鐘を鳴らしている。

 ここ数年、米国や英国、オーストラリアなどでは「孤独が心身にもたらすさまざまなリスク」が大きな問題となっており、ニューヨークタイムズやフォーチュン、タイムなど有力メディアでもその危険性が頻繁に報道されているという。

「ホルトランスタッド教授によれば、孤独のリスクは、『1日たばこを15本吸うこと』や、『アルコール依存症』に匹敵します。また『運動不足』よりも高く、『肥満』より2倍も高いと結論づけていて、非常に衝撃的なデータといえます」(岡本氏、以下同)

 医学的な研究としても、孤独な人はそうでない人よりも冠動脈性の心疾患リスクが29%も上がり、心臓発作のリスクも32%上昇、アルツハイマーになるリスクは2.1倍とされるなど、さまざまなリスクが指摘されている。