不祥事に弱い組織の
3つの特徴とは?

 これは、サラリーマンの世界も変わらない。

 ジャーナリストの大西康之氏が「文春オンライン」で指摘しているように、今回、監督とコーチが「潰してこい」と学生に命じた構造は、東芝幹部が現場に「チャレンジ」を要求して、不正会計を招いた「パワー」の流れと瓜二つだ。東芝のような組織は日本中にあふれている。つまり、日大で起きたことが明日、あなたの身に降りかからないとは限らないのだ。

 というわけで、本稿では、なぜ日大という組織が「危機」に対して残念な対応に終始してしまったのかを考えていきたい。

 筆者はクライシスコミニュケーションの研究をしているわけではないが、これまで十数校におよぶ大学の不祥事対応に立ち会い、会見のトレーニングや対応アドバイスを行ってきた。その経験から「危機に弱い組織」によくある3つのポイントをご紹介していく。

1.「不祥事慣れ」で「危機」に対する感覚がマヒ

 運動部の不祥事が、大学全体の不祥事にまで拡大してしまったひとつの要因としてあげられるのが、初動の遅さだ。

 23日夜に前監督やコーチがようやく会見したが、学生が謝罪会見するまで日大もアメフト部も積極的に説明をしようという姿勢がなかったことが、厳しい批判につながったのである。

 なぜこのような、社会の批判を高めるような稚拙な対応を取るのだろうとクビをかしげるかもしれないが、その答えは既に学生が会見で明かしている。悪質タックルを行った2日後、退部したい旨を内田前監督に伝えたところ、こんな言葉が返ってきたというのだ。

「お前の処罰はもう終わっている。世間は監督を叩きたいだけだから気にしなくていい」