いつも謙虚で遠慮がちなのに、接しているとなぜかイライラしてしまう人、何かにつけて「自分はダメだ」と無能さをアピールする人、何をするにも自信がなく躊躇するために勇気づけてフォローしなければならない人……。あなたはこんな「面倒くさい人」に悩まされていませんか?『かかわると面倒くさい人』の著者・榎本博明氏がそうした人たちの心理構造を説き明かします。
なぜ見え見えな
遠慮をするのか?
相談者のある女性のボヤキを聞いてみましょう。
彼女の部署では、今度の土日に行われる取引先のイベントに、1人応援を出さなくてはならない状況になりました。そこで同僚が、こう言いました。
「その日、実は子どもと遊園地に行く約束をしちゃったんですよね……」
「いいですよ、私はその日空いてるから、行きますよ」と相談者は引き受けることにしました。ここまでは何の問題もありません。ところがその後の同僚とのやりとりで、問題が発生するのです。同僚は恐縮しながら言います。
「でも、悪いですよね、せっかくの週末なのに……。子どもには事情を説明して、延期してもらうこともできるんだけど……」
「本当にいいですよ、代休も取れるし。気にしないでください」
相談者は同僚とこの会話を繰り返すばかり。にもかかわらず、同僚はいつまでも煮え切らない態度を取りました。
「ほんとにいいんですか?でも、悪いわ……」