読売新聞からAERA、週刊プレイボーイ、はたまた東スポまで。発売直後より各種メディアで大反響を呼んだ『ぶっちぎり理論38』の連載がパワーアップして帰ってきた!
ダメ社員から「スーパー副部長」にまで上りつめた、現役大手広告代理店営業マンが、著書『<落ちこぼれでも3秒で社内エースに変わる!>ぶっちぎり理論38』では語り尽くせなかったエピソードを惜しげもなく公開する4週連続企画。
第2回の本日は、ちょっとした電話対応の工夫が好印象を与える「赤ちゃん肌理論」&「復唱OK理論」に加え、著作では紹介しきれなかった「電話で一句理論」が初登場!
相手が切るまで受話器から耳を話さない
“謎の行動”=「赤ちゃん肌理論」
私が大手広告代理店の名古屋支社にいた頃、「受話器を置くのが、やたらと遅い」先輩がいました(W先輩)。
明らかに話は終わっているのに、受話器を耳元から話そうとしません。どうやら、「相手が電話を切って、不通音(ツーツー音)が聞こえてくるまで」は、受話器を置かないと決めているようでした。
受話器の置き方も変わっていました。あいているほうの手で、「フック」をやさしく押してから受話器を置いていたのです。
おそらく先輩は、「もしかしたら、まだ、つながっているかもしれない」と疑っていたのだと思います。こちらが勢いよく受話器を置けば、「ガチャン!」という音が相手に伝わってしまう。だから、受話器を置く前にフックを押していたのです。
【W先輩の電話の切り方】
→相手が切るまで受話器を耳から話さない
→受話器を置く前に、フックを「やさしく」押す
→受話器は「受話部(耳につけて、話を聞く部分)」から静かに置く
W先輩がフックを押すときの力加減は、非常にソフトでした。たとえるなら、赤ちゃんの頬を、ツンツンするくらいの感じ。
そこで私は、この所作を「赤ちゃん肌理論」と名づけ、マネするようになったのです。
「ガチャン!」と乱暴に電話を切る人は、「いつも怒っている人」という印象を持たれてしまいます。
でも、赤ちゃんの肌を触るように電話を切る人は、相手に安心感を与えることができます。
また、安心感という意味では、初めて電話をかけてきた方の社名と名前をきちんと復唱し、「あなたのことをきちんと把握しています。私はあなたに興味があります」という姿勢をきちんと見せる(「復唱OK理論」)も効果的です。
ちなみに、W先輩のデスクには、「小さな鏡」と「陶器製の小さなお地蔵さん」が置いてありました。W先輩にとって、どちらも「電話で話をするとき」のマストアイテム。鏡を見て「笑顔を確認」しながら電話をしたり、お地蔵さんの柔和な顔を見て、「おだやかな気持ちで、ゆっくり、温和に話しかける」ことを心がけていたのです。