ユーザー最優先の販売・宣伝・広報活動
近い将来のEC化も視野に

 午前と午後のプログラムの中間、ランチタイムが終わったタイミングの午後12時45分から本コースのピットで行われたのが、新車の発表会だった。

ファンとプレス関係者が同時に体験する、コルベット特別仕様車の発表会の模様ファンとプレス関係者が同時に体験する、コルベット特別仕様車の発表会の模様 Photo by Kenji Momota

 ファンイベントに集まった人たちと、自動車雑誌などのプレス関係者が、同じ場所で同じ内容のプレゼンを聞く。

 そして、レーシングスーツに身を包んだGMジャパンの若松格社長が自らアンベールしたのが、「コルベット グランドスポーツ・セブリング オレンジ 65エディション」だ。生誕65周年を迎えたコルベットに、特別カラーをあしらった限定5台の日本専用モデル。価格は、税込みで1279万8000円也。

 シボレーファンが集まり、その中でも熱心なコルベットファンに本格的なレーシングコースでプロドライバーによるドライビングレッスンという雰囲気作りをした上で、日本専用の限定5台という触れ込みは、コルベットファンの心をつかむことは間違いない。

 こうした、メーカーとユーザーが情報を直接やりとりする形式の宣伝・広報活動が近年、高級車を中心に増加している。

 その発展形としては、メーカーからユーザーに直接販売するEC(電子商取引)が考えられる。実際、ドイツのダイムラーはメルセデス・ベンツについて、2025年までに世界販売の25%をEC化すると公言している。

 こうした流れの中では当然、ディーラーの再編も視野に入ることは間違いなく、また高級車市場のみならず中価格・低価格の新車にまで影響が及ぶ可能性がある。

 自動車流通の世界で今、大きな変化の波が押し寄せていることを、各地の現場で強く感じた。

(ジャーナリスト 桃田健史)