「SUBARU(スバル)」への社名変更と同じタイミングで、電気自動車(EV)への再参入を宣言した富士重工業。電動化対応など技術開発の方向性について聞いた。

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──2021年度からEV投入を決めたのはなぜですか。

 ここ数カ月で、環境が激変したからです。われわれは、トヨタ自動車と一緒にプラグインハイブリッド車(PHEV)を開発していますが、PHEVの世界販売は伸び悩んでいます。その一方で、独フォルクスワーゲンなどの欧州勢が一気にEVへシフトし、中国の環境規制を超えるにはEVが不可欠な情勢です。さすがに、EVを造りますと宣言しなければいけない時期と判断しました。

──EVは、電池や電気モーターなどの基幹部品を調達できれば異業種でも組み立てられます。自動車メーカーの優位性が削がれることにちゅうちょはないですか。

 環境規制を超えるのは土俵に上がるための入場券。EVなくして試合に出られないのだから、「ニッチメーカーなので、車好き相手にだけがんばります」というのは通用しません。いよいよ、自動車業界は激動の時代に入ったのだと痛感しています。

──環境規制というハードルがあり、自動運転や人工知能などニューテクノロジーへの投資も必須です。小さなメーカーがどうやって戦いを挑むのですか。