サーモンは淡水なら内務省、
海水だと商務省、燻製だと……

 この冗談を言う時のポイントは、変えたいと思う話題と同じカテゴリーに所属している事柄の、かなりクダらない事を誇張し、高いテンションで言うだけです。この場合だと、ベンツとママチャリが、一応「乗り物」という同じジャンルに所属するという部分になっています。だから、全然関係ないのに、構図だけは関係が有ることになっているので、ユーモアが生まれるのです。

 この「どうでもいいことを誇張する」という冗談は、自慢屋を相手にしていない時にも、空気を変えるのに有効です。実は、アメリカのオバマ元大統領も、現役時代のスピーチで、この方法を使って役所の仕事を上手くジョークにしているので紹介します。

 オバマ氏は役所の仕事の縦割り行政を批判しながら、ちょっと重い空気で演説をしていました。その空気を切り替えるため、うんざりした表情で「サーモンは淡水なら内務省の管轄だが、海水だと商務省になる。燻製になるともっと複雑なことになると聞いている」と言いました。

 この部分だけ読んだら、面白さがたいしてわからない人も多いでしょうが、このジョークは大変ウケました。ポイントは、トピックをサーモンに限定したことと、「もっと複雑なことになると聞いている」という部分です。行政の問題を、必要以上に具体的にして、「サーモンの燻製は、とても管轄が複雑なんだ!」と、一見、どうでもいい情報を真面目に誇張したから、笑いが生まれたのです。

 自慢話しを終息させたい時や、「空気を変えたい」と息苦しく感じる場面では、積極的に冗談を言ってみましょう。この他にも、誰にでも簡単に使える冗談のパターンは、『1秒で気のきいた一言が出るハリウッド流すごい会話術』にまとめてあるので、ぜひ参考にしてみて下さい。