欧米人は日本人よりも社交的な人が多く、会話やプレゼンもスマートにこなす人が多いという印象があります。その理由は国民性の違いではありません。欧米先進国では、とうの昔に『会話力』に関する科学的なメソッドが完成されていて、あらゆるシーンで盛んに取り入れられているからです。その中でも、特にハリウッドで活躍する人の多くが学んでいるのが、「インプロ」というメソッド。インプロとは、日本語では「即興力」と訳されているスキルで、その場その場に応じて即興で気の利いた会話ができるようになる会話やコミュニケーションのワザです。そのノウハウを日本人向けにアレンジして、1冊にまとめたのが『1秒で気のきいた一言が出るハリウッド流すごい会話術』。本連載では同書にたくさん紹介されている会話が上達する方法、特にとっさに気のきいた一言が出るようになるメソッドと練習方法を一部抜粋して紹介します。

中居正広も20代の頃のトークは
とても頼りなかった!

 元SMAPの中居正広さんと言えば、あらゆるジャンルの番組を仕切れて、どんなタイプの出演者がいても番組を盛り上げてしまう大物MCでトークの達人というイメージがあるはずです。口下手であったり、人前に出ての会話に苦手意識があったりする人中には、「中居さんは生まれつきイケメンで、トークの才能があってズルいなぁ~」と、嫉妬のような感情を抱いた事がある人もいるかもしれません。

 しかし、そんな嫉妬は、全くの見当違いと言っていいでしょう。もちろん、容姿は生まれつきの問題がかなり大きいですが、実はトークというのはトレーニングによってのみ上達するものなのなのです。実際、中居さんにも、トークの基本フォームを学んでいる時期がありました。

 例えば、20代だった頃の中居さんって、今よりも司会者として頼りなかったことを覚えていませんか。とりわけ、ジャニーズのファンというわけではない視聴者には、「この人は何で、あんまりトークが上手じゃないのに司会をやっているの?」と思った瞬間もあったはずです。

 しかし、中居さんは本人としては無意識的に行っていたのかもしれませんが、笑いを確実に取るトークのフォームを、先輩から瞬く間に吸収していきました。その結果、人気だけでなく実力も兼ね備えた大物司会者になっていったのです。