皆さんの職場で、持ち上げないと拗ねる人はいませんか?見え見えのお世辞を言う部下ばかりえこひいきする管理職、いちいち褒めてあげないとふてくされる若手社員……。そんな人たちと関わると「面倒くさいなあ」と思う人は少なくないでしょう。『かかわると面倒くさい人』の著者・榎本博明氏がそうした人たちの心理背景に迫ります。
「1人で成果を出す部下」に
冷たく当たる上司
ある男性社員はプレゼン資料作成でこんな経験をしました。
今度のプレゼンで資料作成を任されることになった彼。たまたまその時期、課長が忙しそうにしていたので、ちょっと相談したい箇所があったものの遠慮して、自力で何とか仕上げて提出しました。
仕上げた資料は特に問題なく課長のチェックを通過し、それどころか他部署の人からも「よくできているね。誰が作ったの?」と高い評価を受けたのです。
ところがそれ以降、課長の彼に対する態度がなぜか冷たくなります。
同じ部署の親しい先輩と飲む機会があり、そのことを相談したところ、
「それはお前、途中で課長のところに相談に行かないのが悪いんだよ」
という先輩のアドバイスに、彼は驚きました。先輩が続けます。
「ほら、○○は課長のお気に入りだろ?なぜかわかるか?課長がどんなに忙しくても、遠慮なく相談に行くからだよ」
「えっ?遠慮しないほうが気に入られるんですか?」
「誰だって人から頼りにされると嬉しいだろ」
「はい……」