上司の心のケアとしての
ホウレンソウの必要性

 榎本氏は、このようなケースの対策として、「上司の心のケアとしてのホウレンソウ(報告連絡相談)」を提唱し、推奨しています。

「ホウレンソウ」と言えば、管理職が部下の仕事の状況を把握しておかなくてはいけないからという、本来、実務的な必要性のために行うものです。

 ところが「ホウレンソウ」には、心理学的な意味もあります。

 上司の心の中には、自分が部下から尊敬されているかどうか、「ついていきたい」と思うような上司になれているかどうか、実はバカにされているのではないかどうか、といった不安が渦巻いています。

 そのため、部下から頼られると嬉しく、「自分は必要とされているのだ」と実感することができ、不安が薄れるのです。

 だからこそ、こまめにホウレンソウをしてあげることこそが、上司の心のケアとなるのです。

 特に、今回挙げたような持ち上げられたがりの上司の場合、自分に自信がなく、常に肯定されたがっています。そのため、「部下から頼りにされること」こそが、何より大きな心理的報酬になるのです。

 もし、直属の上司がこのタイプの場合、「面倒くせー」と思うような、「業務上、伝えておかなくても支障がないこと」「特に上司に聞かなくても自分で判断できるようなこと」であっても、「××の作業終わりました」「○○の進行ですが、これでいいですか?」などと、こまめにホウレンソウをすることで、「かわいい部下」として認識されるでしょう。

「褒められて伸びるタイプ」を
自称してしまう若手社員

 先ほどの上司のような持ち上げられたがりのタイプは、実は若手にもいます。

 このタイプを部下として持った場合も、周囲は非常に面倒くさい思いをすることになります。ひどいケースでは、

「自分は褒められて伸びるタイプなんです!」

 といった台詞を平気で口にする人さえいます。