遺産巡りポーラHD社長を提訴
訴訟の行方次第では経営陣の刷新があり得るポーラ・オルビス Photo by Masataka Tsuchimoto

化粧品大手ポーラ・オルビスホールディングス(HD)の鈴木郷史社長が遺産相続に関し不正をしたとして、故会長の妻が1日までに提訴した。鈴木社長保有のHD株約4191万株は遺産の対象だったことの確認などを求めるもの。複数の訴訟の結果次第ではHD株の過半が対立側へ移り、現経営体制は崩壊しかねない。(「週刊ダイヤモンド」編集部 土本匡孝)

 ポーラ・オルビスホールディングス(HD)の鈴木郷史社長を相手取り、故鈴木常司会長(鈴木社長の叔父)の妻(以下、夫人)が提訴に踏み切ったことが本誌の取材で明らかになった(図参照)。

 背景には現経営トップに対する疑念と憤りがあり、関係者によると、夫人は「これを機に真相が解明され、上場会社にふさわしいガバナンス体制になってほしい」と話しているという。

 鈴木社長に関しては、昨年末から今年3月の間に2件の疑惑が浮上した。具体的には次の通り。

 (1)常司会長が2000年に急死した際に、「鈴木社長がグループ有力会社の株約69万株を1株1円で会長から譲渡される契約書を生前に作られたように捏造した」とHD元ナンバー2(今年3月まで取締役)が告発した件。

 (2)「常司会長が美術品を寄付する旨の確約書を鈴木社長が同様の手口で捏造した」と公益財団法人ポーラ美術振興財団の元関係者が本誌に告発した件。

 夫人は(1)の疑惑に関連して、東京地方裁判所へ提訴した。焦点は鈴木社長が譲渡契約書の捏造という不正をしたのか否か。夫人側代理人は契約書の捏造について、HD元取締役らの証言や鈴木社長への証人尋問などで立証していくとみられる。