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親のカードで400万円使った子ども、
ヘソクリ全額150万円をつぎ込んだ主婦……
過消費する“フツー”の人々
――ソーシャルゲームの何が問題か【中編】

石島照代 [ジャーナリスト]
【第29回】 2012年4月18日
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 その次に、ソーシャルゲームの収益の柱となっている「コンプガチャを用いたイベント中の過消費」や、「RMT(リアルマネートレード)目的と見られるアイテム交換でアイテムをだまし取られた」などが続く。

「子どもが黙って使ったからお金返して問題」は、
お金を払う前に、まず消費者センターへ連絡を

 このように、全国の消費者センターにはソーシャルゲームに関する苦情や相談が寄せられているが、筆者ら(石島、小山)が特に問題視しているのは、RMTよりも、国民生活センターにも寄せられた相談「コンプガチャを用いたイベント中の過消費」に代表されるガチャビジネスの是非と、未成年利用問題の二点である。

 ガチャビジネスの是非は後述するとして、最初に未成年利用問題から説明する。これは、いわゆる「子どもがソーシャルゲームで過消費する問題」と、「子どもが黙って使ったからお金返して問題」のふたつに大別できるが、消費者問題に詳しい、元経産省官僚で一般社団法人ECネットワーク理事の沢田登志子氏は「法定代理人(保護者)から、同意していない取引だとして取消しの申し出があれば、基本的に企業側は応じる義務があると思われます」と指摘する。

 「これは『未成年者取消』といって、民法上の強い権利として規定されています。たとえば、『未成年者の仮想通貨購入には保護者の承諾が必要です』と書かれていれば、法定代理人(親)の同意があったと見なすことができるかどうかですが、この規定は、裁判で争った場合、無効とされる可能性が非常に高いと考えられます。

 また、未成年が詐術を用いて(成年であると偽って)取引を行った場合は取消しできないのですが、よく見かける『あなたは18歳以上ですか?』という年齢確認ページだけでは、未成年が詐術を用いたと主張するのは難しいと思われます。

 ですから、『18歳以上です』という自己申告のみで確認する仕組みしか用意していない場合は、年齢を偽って登録した未成年がアイテムを買った場合もお金を返さねばならない可能性があります」

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石島照代
[ジャーナリスト]

1972年生まれ。早稲田大学教育学部教育心理学専修を経て、東京大学大学院教育学研究科修士課程在籍中。1999年からゲーム業界ウォッチャーとしての活動を始める。著書に『ゲーム業界の歩き方』(ダイヤモンド社刊)。「コンテンツの配信元もユーザーも、社会的にサステナブルである方法」を検討するために、ゲーム業界サイドだけでなく、ユーザー育成に関わる、教育と社会的養護(児童福祉)の視点からの取材も行う。Photo by 岡村夏林

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ゲームソフトをゲーム専用機だけで遊ぶ時代は終わった。ゲーム機を飛び出し、“コンテンツ”のひとつとしてゲームソフトがあらゆる端末で活躍する時代の、デジタルエンターテインメントコンテンツビジネスの行方を追う。

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