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親のカードで400万円使った子ども、
ヘソクリ全額150万円をつぎ込んだ主婦……
過消費する“フツー”の人々
――ソーシャルゲームの何が問題か【中編】

石島照代 [ジャーナリスト]
【第29回】 2012年4月18日
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 そんなカヨコさんがソーシャルゲームで遊ぶようになったのは、「子どもの幼稚園の迎えを待っている間のヒマつぶしとしてちょうどよかったから」で、「他のママ友と子どもを待ちながらいっしょに遊んでいました」という。

 初めて遊んだソーシャルゲームはグリーの「ハコニワ」で、「キレイなお花を咲かせるのが単純に楽しかった。あの頃のグリーは安心して遊べた」と当時を振り返る。

 「ハコニワ」とは、動物とふれあいながら植物を育てたりするかわいらしいガーデニングゲームで、特にゲームを全くやらない女性に支持されている。実際、カヨコさんも「家庭用ゲームもパチンコ台も一切触ったことがなく、むしろ両方ともキライ。ゲームは『ハコニワ』が初めてで、あんまりゲームという感じはしなかった」そうだ。

 だが、「ハコニワ」程度のゲームならば、150万円も使うようなことはない。一体、カヨコさんは何にお金を使ったのか。

 「アバター(自分の分身としてゲーム上などに登場するキャラクターのこと)用のコンプガチャです。『ハコニワ』を遊んでいるうちに、『夢アバター』と呼ばれる、初期の激レアアイテムが欲しくて集めるようになりました。一緒に『ハコニワ』を遊んでいた友だちが『夢アバター』をたくさん持っていたのがうらやましくて。

 その激レアアイテムは毎月1日に実施される、1回500円のコンプガチャでしかでないのですが、コンプガチャをコンプリートするには約2万円かかる。かつ、ユーザーが自然発生的に行っていた物々交換でレアアイテムと交換してもらうために、この月1回のコンプガチャにお金を大量につぎ込んでいました」。

「自分は、ネトゲ廃人かもしれない……」
「恋するキャバ嬢」で消えた、お金と時間

 だが、「夢アバター」を揃えることは、後から始めた自分にはムリだと悟ったカヨコさんは、次に、携帯電話関連の技術開発企業KLab(クラブ)の「恋してキャバ嬢」(グリー用)にのめりこむ。

 「恋してキャバ嬢」は、ユーザーが架空のキャバ嬢になって架空の店舗のナンバーワンを目指す大ヒットソーシャルゲームだ。サービス開始から10ヵ月あまりで500万人を突破し、ある関係者によれば「東証マザーズの上場に寄与するほど大ヒットした」そうだ。

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石島照代
[ジャーナリスト]

1972年生まれ。早稲田大学教育学部教育心理学専修を経て、東京大学大学院教育学研究科修士課程在籍中。1999年からゲーム業界ウォッチャーとしての活動を始める。著書に『ゲーム業界の歩き方』(ダイヤモンド社刊)。「コンテンツの配信元もユーザーも、社会的にサステナブルである方法」を検討するために、ゲーム業界サイドだけでなく、ユーザー育成に関わる、教育と社会的養護(児童福祉)の視点からの取材も行う。Photo by 岡村夏林

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ゲームソフトをゲーム専用機だけで遊ぶ時代は終わった。ゲーム機を飛び出し、“コンテンツ”のひとつとしてゲームソフトがあらゆる端末で活躍する時代の、デジタルエンターテインメントコンテンツビジネスの行方を追う。

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