一方で、内臓の病気である、「腎臓病」「心不全」「肝機能障害」など主要臓器の異常や機能障害がむくみの原因となることがあります。それらは、慢性化することで臓器不全を来し寿命を著しく短くする可能性もあります。足のむくみが持続する場合は、まず内科を受診して、主要臓器に異常が見られないかスクリーニングすることをお勧めします。

 また、甲状腺機能の低下でも足のむくみが発生することがあります。上述の内科受診時に併せて内分泌疾患の鑑別も大切でしょう。

足に関わる疾患の予防は、認知症予防にもなる!
毎日20~30分程度のやや速めの歩行を

 今回は足の症状に注目して、看過してはいけない疾患を取り上げました。これら足に関わる様々な疾患全てを予防するためには、まさに「足をよく使うこと」が重要なポイントになります。散歩が健康に良いということは日常的に耳にするでしょう。毎日連続して20~30分程度のやや速めの歩行を励行することで、健康維持に十分な予防効果が得られることがわかっています。

 運動器として最も重要な足の機能が弱まると、「ロコモティブシンドローム」と呼ばれる移動機能低下が生じ、それにより筋力及び筋量が低下する「サルコペニア」も併発します。そうなるとさらに移動能力が低下して、サルコぺニアも悪化するという悪循環が生まれます。ロコモティブシンドロームやサルコペニアにより社会活動の範囲が大きく狭まる状態を包含して「フレイル」と表現することもあります。

 フレイルは、気力の低下が進んで最終的に心身両面での虚脱症状に陥ることに、特に着目した概念です。このフレイルこそ、現代社会で大問題である認知症に大きく影響していることが指摘されます。すなわち、足をしっかり使って、歩行などの運動習慣を継続することが認知症予防のキーとなるのです。そして、歩行により動静脈の機能も改善することから、循環器・呼吸器などの主要臓器のみならず全身のあらゆる臓器のはたらきが整います。

 足の症状が全身の病状を表すことがあり、そして足を使うことで全身の健康が作られるというのは非常に示唆的なことですね。

(北青山Dクリニック院長 阿保義久)