前回、タモリさんのトーク術のすごさについて、そして、そのノウハウを参考にした会話のネタの見つけ方について解説いたしました。今回はタモリさんの博識トークと、あらゆる専門家とも即興でトークできる会話術を分析し、『1秒で気のきいた一言が出るハリウッド流すごい会話術』の中から一般人でも真似できるノウハウを紹介します。

誰が相手でも会話が途切れない
タモリの会話術の極意とは?

 タモリさんって、どんな話題となっても対応できる知識があるイメージがあります。特に、NHKで放送中の『ブラタモリ』では、案内役を務める各分家の専門家も驚くくらいにタモリさんが歴史や地理などに詳しかったりする事もあります。

 とは言っても、さすがにタモリさんも、全ての話題に精通しているわけではありません。とても細かく聞いていると、イメージよりも理系的なネタには弱かったり、10代のアイドルの女の子がハマっている趣味にまで精通していたりするわけではありません。

 それにもかかわらず、タモリさんは理系の学者とも一切引けを取らずに会話をしています。タモリさんは70歳を超えているのに、ミュージックステーションでAKB48などの10代や20代の若い女の子との会話に詰まってしまう事もありません。

 どうしてタモリさんは、こんな芸当ができるのでしょうか。それはタモリさんには、自分の得意ではない分野に関しても、「浅い知識」があるからです。

 実は、普通の人の場合、会話において全く知識がない事に関しては、「わからないことは相手に質問する」という事すらできなくなってしまいます。そのため、あまり知らない事の話題の時に質問が上手にできずに、会話が詰まりがちになってしまうのです。

 一方、最低限の浅い知識が豊富なタモリさんは、例えば若い女性が身につけているアクセサリーに対して、「これ流行ってるんだって?でも、これのどこがカワイイの?」と、質問するぐらいは簡単に出来てしまいます。ここまでくれば、その場で相手が出してくれる情報を元に、会話が続けられます。