そもそもJALの労組には、性格の異なる二つの系統がある。前述した争議団を支援するのは複数の少数組合で構成する通称「JJ労組」と呼ばれる一派。対して、最大派閥は通称「JALFIO」で労使協調型だ。JALFIO側の社員には今回の労務方針転換は、あまり広まっていないもよう。解雇問題に興味を持たない層も一定数いて、近い将来、出戻り人材と一緒に働くかもしれないことに対して「正直、違和感がある」などと“忌憚ない”意見も出ている。

 こうした状況を踏まえると、JAL経営陣には再就職者にも現役社員にもさまざまな配慮が必要だ。それができなければ労務問題の新たな火種になりかねない。

 他方、競合のANAにも話は伝わり、反響を呼んでいる。傘下のLCCに元JAL社員が多数在籍しているからだ。仮に人材がJAL側に流出すれば大打撃だ。

 航空業界では「採用競争力」がホットトピックになって久しい。JALが会社の都合で解雇を断行し、必要になれば人材を呼び戻すというのは、いささか虫がいい話にも思えるが、プライドを捨ててでも背に腹は代えられぬ状況が、そこにある。