カウンセリングの現場でも、「合併」や「業務移管」といったワードを頻繁に耳にします。それに伴って、自分の部署が消滅したり縮小したりといった状況に遭ってしまう管理職の方々も少なくありません。しかし、そこで焦って感情的に部下に八つ当たりしてしまうと、とんでもないことになってしまいます。「管理職養成講座」第11回では、部署が縮小の対象となったマネジャーのケースを見ていきましょう。(MICA COCORO代表 産業カウンセラー 宮本実果)
部署の縮小に見舞われた
マネジャーが八つ当たり
大手IT企業に勤めるSさん(46歳・男性)。ITの専門技術には詳しくありませんが、人当たりの良さとマネジメント業務に対する熱意が認められ、2年前からマネジャーに昇格しました。チームメンバーとのコミュニケーションも円滑で、頼りがいのある存在と評価も上々でした。
ところが最近、経営陣が業務の再編成を進めており、部署ごと外部企業へ移管されたり、事実上消滅したりしており、ついにSさんの部署もその対象となりました。そのためSさんは、自身のマネジメント能力がもっと認められなければ、「自分の居場所がなくなってしまう」と不安を抱くようになりました。