経営者側から見た
メリットの方が大きい

 まずは、従業員持株会のメリットについて見てみよう。いくつかの証券会社のホームページを見ると、以下のようなメリットが挙げられている。

<経営者から見て>
(1)株主構成が安定し、敵対的買収に対する抑止力になる
(2)社員の忠誠心の向上になる
(3)会社が上場を目指す場合に、資本政策面における安定化の一助となる

<従業員から見て>
(1)1000円から手軽に始められる
(2)天引きで積み立てられる
(3)奨励金が付与される場合がある

 経営者から見たメリットは、いずれもその通りだろう。しかしながら資産形成を目指す一人の投資家としての従業員から見れば、どの項目もあまり関係のない話であり、いずれも単なる経営者の都合に過ぎない。

 一方、従業員から見た場合のメリットはどうだろう。これはいずれもその通りで、別に間違っているわけではない。しかしながら、いずれも特に従業員持株会だけのメリットというわけではなく、他の社内制度や積立投資でも受けられるメリットだ。ただし、(3)の奨励金だけは、大きなメリットと言えるだろう。

 東京証券取引所が2017年の10月に行った調査によれば、奨励金を付与している会社は96.6%に上り、その付与率も5〜15%程度のところが約75%だ。中には、奨励金100%という驚くべき会社が4社もある。