自分へのご褒美は、心理学的には最悪な言葉です

人生は選択の連続

 人生というのは選択の連続だ。「今日のお昼は何を食べようか」というレベルから、就職や結婚といった人生の大きな節目に至る選択まで、さらには日常の買い物や投資、経営戦略など、ありとあらゆる場面で人は「何か」を選ばなければならない。

 そしてやっかいなことに、この「選択」には常に不安と後悔がつきまとう。「自分の選んだことが正しかったのか」「選ばなかったものの中にもっといいものがあったのではないか」といった気持ちが出てくるからだ。

 そこで、そういった不安を払拭し、後悔しなくても済むように無意識のうちに自分が選んだことを正当化しようという気持ちが出てくる。「今日はいつもより安かったからこれを買った」とか「電気代が安いのが一番だからこの機種を選んだんだ」といった具合に、選んだ理由を探そうとする。

 人間というのは、案外自分の判断には自信を持てないものなので、外部的な理由で自分自身の選択を正当化したいという気持ちは誰にでもあるものだ。