森友・加計騒動についての国会議論の収拾がつかない。その原因は、政府側答弁の「ご飯論法」による話のすり替えとごまかしにある。政府のみならず企業のあちこちでご飯論法は散見されるが、ビジネスにとって一番大切な信頼関係をブチ壊す、最悪なやり方である。(モチベーションファクター代表取締役 山口博)

ご飯論法によるすり替えや
ごまかしが後を絶たない

ご飯論法を展開する柳瀬唯夫・元首相秘書官森友・加計学園問題の答弁では、相手の質問に誠実に答えず、屁理屈をこねくり回して言い逃れをしようとする姿が目立った。しかし、残念ながら企業にも「ご飯論法」の使い手は大勢いる Photo:AFP/AFLO

「ご飯論法」とは法政大学キャリアデザイン学部の上西充子教授のTwitterから広まった言葉だ。「朝ごはん食べましたか」と聞かれて、パンを食べたけれども白米や玄米などのご飯は食べなかったので「食べてきませんでした」と答えるというような、ごまかし話法である(上西教授の記事はこちら)。

 柳瀬唯夫・元首相秘書官は、加計学園獣医学部(愛媛県今治市)への政府関与の問題で、「今治市職員と会ったのか」と問われて、「加計学園関係者とは会ったが今治市職員とは会った記憶はない」と答えている。また佐川宣寿・前国税庁長官は「森友学園との交渉・面会記録が残っているか」と問われて、「交渉記録は破棄した」と答えるも、記録が残っていることが明確になると、「文書規則で破棄する取り扱いをすることになっていたことを確認したということだ」という意味の返答をした。

 このようなご飯論法は、質問者に対して「どうせわからないだろうと侮っています」「言い逃れしようとしています」「言いくるめようとしています」「だまそうとしています」というメッセージを送っているようなものだ。民間企業はもちろんのこと、国家公務員ならなおさら、真実を隠してだまし通そうとするなどということは、あってはならない。