通常国会も終盤を迎えている。与党側は審議を進めようとする一方、野党側は、追及できるタマがゴロゴロ転がっているにもかかわらず、モリカケ問題や目立つことばかり考え、杓子定規でまともな対応ができていない。現状では与党ペースで審議が進んでいる。(室伏政策研究室代表、政策コンサルタント 室伏謙一)

通常国会も終盤
不完全燃焼が続く野党

通常国会も終盤通常国会も終盤だが…

 通常国会も残すところあと15日程度、与党側は各委員会を次々と立てて、急ピッチで審議を進めようとしている。

 一方、野党側は、加計学園問題をめぐる柳瀬元総理秘書官(現経済産業審議官)の国会への証人喚問に与党側が応じないこと等を理由として18日間にわたって審議拒否を続けてきたが、野党への風当たりが強くなってくるや、一転して参考人招致で折れて審議へ復帰。しかし決定的な答弁を引き出すことができずに、不完全燃焼で終了した。続く予算委員会集中審議でも、安倍総理は防戦一方だったが実質的に逃げ切られた。

 その後、5月21日、参院からの要請に応じて愛媛県が提出した獣医学部新設を巡る県職員の記録文書に、平成27年に安倍総理と加計学園の加計孝太郎理事長が面談していたことや柳瀬元秘書官との面談の概要が記載されていた。このことで、安倍総理が虚偽答弁を繰り返していた可能性が高まったため、再び勢いづいてきており、加計理事長の証人喚問を要求する方向のようであるが、与党が当初は拒否することは当然目に見えており、現段階ではまだまだ手詰まりは否めない(一部報道では自民党内にも動揺が広まっているようであるが)。

 一方、これまで破棄されたとされてきた、森友学園への国有地売却を巡る森友学園との交渉記録が財務省で見つかり、5月23日国会に提出された。こちらの方については集中審議を求める方向で、与党側も否定していないようで、日程闘争ということになるだろう。