こと、「老後の備え」については、年収400万円の人も、年収2000万円の人も、現役時代の支出と、老後の支出をバランスさせなければならないので、やるべきことに大差はない。ただ、金額的なスケールが異なるだけだ。

 そういう意味では、「○○歳までに、××××万円」といった「平均」を基にした数字で考えてはいけないことをご注意申し上げておく。しかし、世の中ではこうした平均を基にした記事が少なくないので注意してほしい(記事の取材先のFPなどが使い物にならないのだろう)。

 貯蓄額は、毎月の額も目標額も、あくまでも「自分の数字」で計算すべきだ。厚生年金のみに加入しているサラリーマンの場合、手取り所得の20%くらいを貯蓄・投資に回すとつじつまが合う計算になる場合が多い(計算には、例えばOfficeBenefitの「人生設計の基本公式」で計算するといい)。

「まとまったお金」がなくてもいい

 さて、ここまでで、貯蓄・投資の必要性はご理解いただけただろう。今回のボーナスを機に、生活設計を考え直してみようという方もおられよう。いい心掛けで、必然的にお金が貯まることになる。

 そこで、次は貯まったお金をどう運用したらいいかについて、ご説明しよう。

 リスクを取った投資にしても、リスクをできるだけ負わない資金運用にしても(当面、断然のイチオシは「個人向け国債変動金利型10年満期」である)、「まとまったお金ができてから運用するものだ」というイメージをお持ちの方が多いのではないかと推測する。

 だが、本来は、資産が形成されてから運用するのではなく、「資産を形成するために、貯蓄しながら運用する」と考えて、コツコツと運用を始めるのがいい。定石的には、「iDeCo」(個人型確定拠出年金)や「つみたてNISA」など、税制上の優遇のある制度を使って、少額からでも毎月積み立てて投資するといいのだ。

 しかし、今までやらなかった投資を始めるには、5万円でも10万円でも、ある程度まとまった額を工面できる今度のボーナスは、「いいきっかけ」になるのではないか。