現行オーナー平均年齢は65歳
40~50代に、新たなる日本車価値観を

 高度成長期、クラウンは庶民の憧れだった。その流れは、バブル期の1990年の年間販売台数21万台をピークに下降していく。

 2003年登場の12世代で累計23.5万台、13世代が16.5万台、そして14世代が21.2万台となり、各世代の年平均では5万台前後と、最良期の4分の1程度までに落ち込んだ。

 クラウンのユーザーは、クラウンに対するロイヤルティ(忠誠心)が強く、そのままユーザー平均年齢が年々高齢化し、現在は全国平均で65歳に達した。筆者が首都圏の大手トヨタディーラー経営者に聞いた話では、首都圏では平均年齢が68歳という、「もうすぐ免許返納を考えようか」という世代なのだ。

独ニュルブルリンクで走り込んだ、カモフラージュ仕様の新型クラウンテスト車両独ニュルブルクリンクで走り込んだ、カモフラージュ仕様の新型クラウンテスト車両 Photo by Kenji Momota

 一方、40~50代の場合、高級車に対する価値観が60代以上よりも幅広く、ドイツ車を中心とした購買の志向が強く、「クラウンを選ぶ理由」がハッキリしていない、とトヨタは見ている。

 そうした「クラウンに対する意識の壁」を取り払うため、トヨタは今回、様々な手段を講じた。

 まずは日本の道路環境を考えた全幅1800mmと、プリウス並みに小回りが可能な最小回転半径5.3メートルを念頭に置いたデザインの刷新。日本人の体格に合ったドアハンドルの高さと角度の設定、重厚感のあるドアの閉まり音を徹底研究。そして3系統エンジン搭載車それぞれの走りの個性を際立たせた。

 クラウンのデザインを総括するトヨタ先進技術カンパニー・グローバルデザイン企画部・主査の國重健氏は「歴代クラウンにおけるトヨタのモノづくりのキーワードは、伝統や歴史ではなく、挑戦であることを再認識したうえで、新型のデザインにあたった」と強調した。