功を奏したのは、与党色を薄め、花角氏は「県民党」ということで、自民、公明の推薦候補ではなく、両党の支持を受けるということで戦ったことだ。大物国会議員の応援演説はほとんどなく、地元選出議員は表には出ずに、組織票を固めるという裏方作業に徹した。

 一方、野党の候補には、最初から野党5党1会派の国対委員長らが応援演説に駆けつけ、「モリカケ」問題などで安倍政権批判を繰り返していた。

 言うなれば、野党の「空中戦」に対して、与党は「地上戦」で対抗し、それが功を奏した形になった。

 自民党の中には、後ろから鉄砲を撃つ人も出た。「小泉親子」である。

 小泉純一郎パパは、選挙には関わらないと言ったものの、野党候補を応援し、小泉進次郎ジュニアは応援要請を拒みつつ、加計問題で国会の特別委員会設置を要求するなど安倍政権を揺さぶった。

 ともあれ、政治では選挙結果がすべてだ。選挙期間中、党への敵対行為ともとられるような行動は、党内人気にも支障が出かねない。今後、小泉ジュニアの人望の限界が顕在化するかもしれない。

 小泉ジュニアと同一行動をしている石破氏も、今年秋の自民党総裁選挙への出馬が厳しくなるかもしれない。

 一方で安倍首相の党内基盤は強まったと言っていいだろう。

「モリカケ」問題批判は
“真空斬り”で終わった

 今回、本来は野党が有利とも考えられた新潟県知事選で、与党が勝利した要因を考えてみよう。

 野党が攻撃した「モリカケ」問題は、この1年以上、国会やマスコミで追及されてきたが、安倍首相の「関与」を示す決定的な話が出てきていない。 世論はさすがに「飽き」がきているということではないか。最近ではワイドショーでも取り上げられることが少なくなった。

 「モリカケ問題」にはマスコミが報じない話がある。

 森友問題では、近畿財務局は森友学園に国有地を売ったときに、一筆の土地のうちの東半分を2010年に豊中市に売却している。その時の売却価格が実質2000万円だったことだ。

 それはゴミが地中に埋まっていたからだ。もし森友に売った西半分について、競争入札にかけていれば、入札価格はせいぜい2000万円近辺、間違っても1億円にはいかなっただろう。入札していれば、「値引き問題」は発生しなかったはずだ。