日本で最も多い凶器は「刃物」
立ち向かうための有効な「防具」とは

「さすまた」の画像刃物を持った相手には「さすまた」が有効。ネット通販で購入できる

 意外かもしれないが、そう考えた場合に一番有効なのは、江戸時代に捕り物で使われた「刺又」(さすまた)だ。はしごでも同じことができるが、どちらの道具も刃物から離れた距離で犯人を抑え込むことができる。このさすまた、実はネット通販でも売られている。強盗に入られたときのためにさすまたを取り寄せて、自宅の寝室に置いておくのは危機管理としては有効だ。

 実際に小中学校や金融機関など、防犯の目的でさすまたを導入する現場は増えているそうだ。ただ、実はこれには議論の余地がある。学校では、廊下に備え付けておくと子どもがいじめに使ったりするため、結局職員室に置くなど、現場で即応できない使い方になってしまったりするというのだ。

 新幹線で考えた場合も同じことだろう。各車両にさすまたが準備してあれば、より迅速に(逃げられない)乗客が犯人に立ち向かうことができるはずだが、同様にいたずらが問題になるだろう。

 では、どうしたらいいか。これは筆者のアイデアだが、さすまたメーカーはこれからはさすまたと防犯ブザーをセットで販売してはどうだろう。設置してあるさすまたを取り外すと、大きな音で防犯ブザーが鳴る仕組みにするのである。

 さすまたの設置場所には「取り外すと大音量のブザーが鳴ります」と明記しておく。そうすれば、普段はいたずらでさすまたを取り外す人は出てこないはずだ。小学校や新幹線でも、いたずらで使うことはできなくなる。本来の危機管理の目的だけで使えるようになる。

 本来は安全が一番だが、そうも言ってはいられないことが起きるのが現代社会。このような事件はいつでも起こり得ると、覚悟しなくてはいけない。そうした前提で我々一般人も、危機管理について考える機会を増やしたほうがいいだろう。

(百年コンサルティング代表 鈴木貴博)