小学生の時から双極性障害(躁うつ病)・パニック障害・過呼吸などに苦しみ、その後克服した『大丈夫。そのつらい日々も光になる。』の著者・中島輝氏。自身の経験を活かし、心の病を抱える人に対して、解決へと導く手助けの一翼を担いたいという思いから「心理カウンセラー」となり、これまで1万人以上のカウンセリングを行ってきた。そこで今回は、職場のストレスからうつ病の診断書をもらい、旅行で気分転換をするが上手くいかず何度か休職を繰り返した入社2年目の若手男性社員を紹介したい。
業務改善の方法を
上司に提案したら…
「上司から『言われたことだけやっていればいい』と言われてから、職場がつまらなくなり、窮屈に感じるようになったんです」
介護用品のメーカーに勤める入社2年目の西田一郎さん(24歳)は、職場のストレスが原因で体調を壊した時のことをこう振り返る。
きっかけは、ある業務の改善方法に関して、上司に提案したことだった。
「時間短縮になるし、工数も減らせる。すぐに効果も出ると思いました。しかし上司は『余計なことをするな』と言わんばかりに、提案を無視したのです」
以来、上司に対する不信感が急速に高まっていったのである。上司に監視されているような気分になり、先輩や同僚とも距離を置くようになった。
次第にストレスで体調を崩しがちになり、産業医のもとへ出向いたところ、うつの診断をされ、3ヵ月間休職することになった。