新年度の「新たなチャレンジ」がウツにつながる理由

 年度替わりは、変化の季節です。春の陽射しとともに、新しい環境に身を置く方もいらっしゃるでしょう。また、自分自身の環境が変わらなくても、新入社員を受け入れたり、人事異動があって担当者が変わったりと、周囲に変化のある方も多いと思います。

 実は、この「変化」がストレスの原因ということをご存じですか?ストレスというと、「嫌なこと」「辛いこと」を思い浮かべる傾向にありますが、「楽しいこと」「嬉しいこと」であっても、生活の変化があれば、それは、ストレスの元「ストレッサー」になり得ます。なぜ、1年のうちで、5月に「5月病」という名前がつくほど、うつになる人が多いのでしょうか。それは、日本社会の変化が一番大きい、3月4月に受けた大きなストレッサーのダメージを回復できないまま、限界に達する時期がちょうど5月ごろにあたるからです。ですから、この変化の時期をどう乗り切るかが、5月病を防ぐ大きなポイントとなります。

 本稿では、変化の時期に注意したい生活ポイントを3つと、意外なストレッサーについてご紹介します。

「変化」というダメージを受けた心をもとに戻す

 生きている限り、常に変化にさらされます。ですから、完全に避けて通ることはできません。ただ、日々受けたダメージを、都度、回復させることが必要です。仕事終わりの1杯のビール、家族の笑顔、没頭できる趣味、友人との時間など、回復に必要なアイテムはそれぞれ違うと思います。いずれにしても溜め込まないうちに早めに対処することが必要です。細やかにリカバリーするイメージを持ってください。忙しい年度替わりは、このリカバリーを怠りがちになります。