父親とは折り合いが悪く
社会にもなじめなかった

   報道ベースの情報から、加害者の人物像を追ってみよう。小島容疑者は両親と折り合いが悪く、公立中学に進学後はいじめに遭って、やがて不登校になってしまう。自室にこもり、インターネットやテレビに没頭していったという。

 中学2年生の時、新学期だから新しい水筒が欲しいと親にねだると、姉には新しい水筒が、彼にはおさがりの水筒が渡された。するとその日の夜中になって、彼は両親の部屋に押し入り、「なんで自分だけお古の水筒なんだ!」と包丁や金づちを投げつけてきたことがあったと、父親は話している。

  父親との確執があったため、小島容疑者は母親の勤務先である自立支援施設に入所して暮らし始めた。中学校卒業後は、定時制高校、職業訓練所に通い、在学中に取得した資格を生かして、機械修理工場に就職。施設の代表は、「非常にまじめで優秀な子。人を傷つけることはなかった」と取材に答えている。

 自立支援施設での5年間の集団生活を経て、就職を機に独り暮らしを始めた小島容疑者だが、会社での人間関係に不満を持ち、約1年で退職。再び実家で引きこもり状態になり、家出を繰り返すようになる。昨年2月には、地元の病院に2ヵ月ほど入院するが、その時に改めて「自閉症」と診断された。

 退院後は祖母と暮らし、母親からの提案で祖母と養子縁組をする。祖母宅でもインターネットとパソコンゲームに没頭。その後、社会復帰を目指して昨年11月から障害者支援施設で働き始めるが、1ヵ月もしないうちに「ホームレスになりたい」という理由で辞めた。

 昨年末からは「自殺をする」といって4回目の家出。野宿をしながら長野県内を転々としていた。そして6月9日に凶行に及んだのだ。

 そこで、今回の事件から垣間見える、動機が不可解で、発達障害があると思われる青少年事件の加害者に見られる共通項を挙げてみたい。