拉致問題解決が必須と
安倍首相が明言
安倍晋三首相は、6月12日に開催された米朝首脳会談を受けて、「北朝鮮の非核化プロセスの費用を日本が負担するのは当然だ」とした一方で、経済援助に関しては「拉致問題が解決され、国交が正常化されたときに行っていく。拉致問題が解決されなければ行われない」と明言した模様だ。この段階で、こうした話をすることは、果たして合理的なのだろうか。今回は、その点について考えてみたい。
安倍首相が本当は何を考えているのか、はたまた米朝首脳会談の裏で何が交渉されているのかなどはうかがい知ることができないので、ケース分けをして考えてみよう。
経済支援が「非核化の条件」となっていないのであれば、話は簡単だ。日本には北朝鮮を支援する義理はないので、「拉致問題が解決すれば、通常の途上国支援の一貫として北朝鮮も支援する」という姿勢は当然だ。その場合、「非核化の費用」をどう考えるかであるが、それは以下の議論の中で考えていきたい。
問題は、北朝鮮が「非核化をする条件として、国際社会が北朝鮮に巨額の経済支援をすると約束しろ」と言っている場合だ。