2018年6月20日、ソフトバンクグループに3人の副社長が就任した。マルセロ・クラウレ氏、ラジーブ・ミスラ氏、佐護勝紀氏の3人だ。ラジーヴ・ミスラ氏は、同グループの事業ポートフォリオの転換に際し、海外財務の“参謀役”として2014年11月に経営中枢に参画。現在はソフトバンク・ビジョン・ファンド設立のプロジェクトを主導する人物だ。メディアには登場しない同氏だが、「週刊ダイヤモンド」が2015年に行った日本メディアの初取材となるインタビュー記事を再掲載する。(インタビューは2015年1月に実施)
──なぜソフトバンクの経営に参画することを決めたのですか。
それは孫正義社長がいるからです。私にとってお金や地位より、知的な刺激を受けて、日々の仕事を楽しめることが重要です。
彼との付き合いはもう12年以上になります。過去に固定回線事業や、ボーダフォン日本法人の買収(2006年)の際は、私はドイツ銀行側の担当者として資金調達をしました。当時の時価総額を超える2兆円の“買い物”なので、さまざまな調達プランが必要でした。また05年には、1週間にわたって孫社長をインドにお連れして、現地のメディアやIT企業、通信会社などを一緒に訪問しました。
現在の私の役割は、海外展開に注力するソフトバンク経営陣とグローバルな金融機関との橋渡しです。長く存続する企業となるために、仮に金融危機があっても耐えられる力を蓄積することも必要です。また金融分野に秀でた人材を探して、登用することもあります。
──海外企業の出資買収を担当する在米の投資専門子会社のアドバイザーにも就任しています。
大事なのは、海外における資金調達と投資能力をどこまで伸ばせるかです。