アルゼンチンが窮地に
日本は「一体感」で快進撃!?

 今大会絶不調でグループリーグ突破の崖っぷちに立たされているアルゼンチンも、その予兆はあった。南米予選で苦戦を続けたのだ。南米予選は10ヵ国が出場し、4位までが出場、5位はオセアニアとのプレーオフを戦う方式だが、アルゼンチンは最終試合まで6位だった。その最後のエクアドル戦でメッシがハットトリックを決める活躍でなんとか出場にこぎつけた。予選期間中に行われたスペインとの親善試合ではメッシ不在ということもあったが、1-6の大敗を喫している。そんなこともあって今大会のアルゼンチン代表は前評判が高くなかったが、それが現実となったわけだ。

 問題とされているのはメッシ依存体質。予選最終戦で出場を決めたのはメッシの活躍があったから仕方がない面もあるが、エースひとりに頼る戦いはW杯では通用しないということだ。他のメンバーもメッシのことはリスペクトしているはずだが、彼らもプロ。メッシを生かすためのプレーに徹するのは、どこか抵抗があるはずだ。また、対戦相手だってメッシを徹底マークすればいいわけで戦いやすい。チームとしてひとつになれず、対戦相手にも主導権を握られ、現在の窮地に至ったといえるだろう。

 サッカーはこうした選手の精神状態やチームとしての意志統一が戦いぶりを左右することが多い。普段は別のクラブでプレーする選手が代表として招集され、急造チームで戦うW杯ではなおさらだ。

 日本代表が前評判を覆す快進撃を見せているのは、この部分が改善されたからかもしれない。大会2ヵ月前という直前に監督がハリルホジッチ氏から西野朗氏に交代した。自分が志向するサッカースタイルに合う選手で代表を構成しようとしたハリルホジッチ氏はチームの一体感をつくれなかった。一方、西野監督は代表経験豊富な選手でチームを構成したうえコミュニケーションを密にして、同じベクトルを持つ戦う集団を作った。W杯で好結果を得るには、こうした部分が大事なのかもしれない。

 第3戦の相手はFIFAランク8位のポーランド。グループリーグ突破の可能性はなくなり、モチベーションが落ちているのではという声もあるが、そんなことはないだろう。彼らにもポーランド代表のメンツはあるし、ランク上位国のプライドからも全力で勝ちにくるはず。日本は引き分け以上でグループリーグを勝ち抜けるが、難しい試合になりそうだ。

 しかし、チームとして最高のまとまりを見せている西野ジャパン。勝ってグループH1位で決勝トーナメントに進出してもらいたいものだ。運命のホイッスルは28日23時(日本時間)に吹かれる。

(スポーツライター 相沢光一)