SNSを利用して
透明性を高めることもできる

 今から20年前に、合併した会社同士の対立を解消するために、社内SNSを導入したことがある。買収会社の方針を被買収会社に伝えても実行されなかったり、被買収会社の取り組みを買収会社が受け入れようとしないなど、相互の異論や懸念が解消されない状況に陥っており、異論や懸念を顕在化させて、解消していく以外に方法はないと考えたのだ。

 この社内SNSは、いわゆるQAサイトを社内利用したもので、投稿者は今、取り組んでいることや、会社の方針に対する異論や懸念などを投稿できる。閲覧者たちは、その投稿に対する意見を投稿できる。さらに投稿された内容に対して追加のコメントや質問や回答ができ、文章が蓄積されていく。

 投稿は実名で行うこととした。上司や管理者の許可や検閲を得る必要はないが、建設的な意見を投稿することとし、誹謗中傷など不適切な投稿は管理者の判断で削除することができるというルールにした。

 投稿された質問への回答は、担当部門がしてもよいし、担当部門ではない人がしてもかまわない。回答できる人が回答すればよいという考え方に立った。また、マニュアルや通達に書いてあることはそれらを見ればよいが、どこにも書かれていない内容で気になることがあれば投稿して、答えられる人が答えればよいという方針にした。

 つまり、この社内SNSに投稿される内容は、会社が承認した公式見解ではない、現場にあふれている知恵や工夫であるということを、投稿者も、それを閲覧する側も理解した上で活用するということがルールだった。